ポルトガルのアゾレス諸島(アソーレス諸島)の
大変珍しい、エアリーなアゾレスレースの
アンティークの花型 ラウンドドイリー。
額装用にと画像の青い小さな麻布を
添えての出品です。
ごく細く軽い特別なスレッドを使い
ハンドメイド/手仕事によるボビンで編まれ
ふわりと軽くソフトで
空気を含むかに大変エアリーな魅力的な質感で
両面共似た風情です。
ポンポンのかすみ草のように置かれた
ぷっくり膨らんだモチーフは
ふわふわの淡雪、細かな雪、新雪を見るよう。
或は天空にかかる細雪や
細くたなびく雲、鱗雲や
風に吹かれて草原を翔ぶ
蒲公英/たんぽぽの綿毛のようでもあるかも。
西洋ダリアの様な花から広がる
多層の細やかなスカラップ。
何層、何重段あるのか正確には数え切れず
大別しても十層以上の花びらが成す
繊細な線状や糸の塊がファンシーです。
糸はコットン、或いはリネンか
コットン＆リネンの混紡かも。
柔らかさでは綿糸ですが
仄かなコシやハリ等、麻とも感じさせます。
直径約17㎝の大きさがありながら
重さは1gも有りません。
どれほどの時間をかけ
小さな針孔にごく細い糸を通し
技術、技巧を凝らし編み上げたかと
胸がいっぱいになり、
自然の風景や詩情も去来する
見入りながら胸に沁み入るリリックな作品です
以下は素人計測の為
誤差をご容赦くださいm(_ _)m
直径17+㎝〜16.7㎝前後
約0.8g
ほんのり色のあるエクリュ、オフホワイト。
過去に使用されたか手に取られた作品のよう。
破れの欠陥がリムに1箇所。
約横幅7.8㎝ x 高さ5㎜範囲内で
かなり細い糸で補修されています。
補修糸もかなり細いですが
地糸よりアイボリートーンです。
約3㎝高さの繋ぎ架け?も。
リムに２箇所の淡茶の変色は裏面は薄く
1㎝ x 6㎜＆2㎜x3㎜のポンポン分です
片側の補修跡の中に、オリジナル糸が
折返しで16㎜ x 2の輪になって残っており
切れていない糸を大切に遺したのだと。
裏面に倒すと見えなくなります
アゾレスレース自体がレアな上に
完璧な状態の作品を見つける事は困難。
難/補修跡があっても尚
非常に精緻で極めて繊細な手仕事は輝き
独特で類のないユニークな伝統技術の
美しい実例を現代に届けています。
補修により、元の構図/形状を
ある程度復元できている様に感じます